仮想通貨騒動
渦中のコインチェックに疑惑が浮上?
連日話題になっているコインチェックの流出騒動ですが、コインチェック社自体がなにやら怪しいことをしていたんじゃないかという指摘が出始めました。1/26のそもそもの流出騒動の発端もどうも山本一郎氏の文春オンラインの記事っぽいようですが、その続報でいろいろ書いてありました。まあ、仮想通貨とか大雑把にしか知らないので自分では真偽を判断できません。
一連の騒動で国が認可を与えていたのに云々いう話を見た気もしますが、そもそもコインチェック社は取引所登録されていないし、仮想通貨ってのは国とか中央銀行等の管理がされていないものなので、そこに文句言うのって感じが個人的にするのですが、そうでもないのでしょうか。
あとはまあ、仮想通貨の仕組み自体が問題ではなく、あくまでコインチェック社の問題だと思うのですが、こうなってしまうと日本では仮想通貨=悪という風潮になりそうで、ただでさえ現金比率が高い日本が世界から取り残されてガラパゴス化という未来が...。EVも舐めてたら時代に取り残されそうですしね。
疑惑に対して叩く人も
この山本氏の記事の真偽は自分には分かりませんが、早速、堀江貴文氏が噛みついているようです。ただ、(ツイートなので)具体的にどこがおかしいという指摘は降れていない。鵜呑みにするのは情弱とか煽っているだけ。FX業者の多くは呑んでるとか書いているが、自分の理解が正しければその業者が利用者にその旨開示していれば合法なので問題ない。一方、コインチェックはそれを回示していたのですかね? していたのであればそもそも問題にならないはずですが。それ以前に、仮想通貨取引は金融取引なのか、という問題もありますけど。「通貨」とは言ってますけどね。
山本氏の擁護をするわけでもないですが、ノミ行為をしているからコインチェックは悪い、なんてことは書いてないわけです*1。ちゃんと読んでいればこんな的外れな批判は出てこないと自分は思うのですが、はてブコメントなんかでもFX行書はみんなやってる云々のコメントが少なからずあるので、自分の認識がおかしいのですかね。
あの長文の中に「ノミ行為」という単語は4か所しか出てこないし、うち3か所が集中しているのがこの部分です*2。
その後のコインチェック社とPoloniexとの取引においても、大量に存在していたであろう顧客からの買い注文や売り注文が都度都度処理されているようにも見えません。つまり、顧客からの売り注文も買い注文も、決済せず自社のシステムの中で完結させているのです。コインチェック社の中にある顧客の預かり資産もコインチェック社の自己勘定の資産も一緒になって、相場の板の中で顧客の売りと買いが相殺される、いわゆる「ノミ行為」が長らく行われてきたのではないかと疑われます。
ノミ行為(Wikipedia)
如何にビットコイン(以下、BTC)以外のアルトコインの取引が高収益であったか、また、その高収益を実現するシステムが不適切ではなかったか、それを認識しているがゆえに金融庁や関東財務局からの仮想通貨交換業者の登録のための資料提出に不備があると判断されたかは、これらの仮想通貨の取引を使った「原野商法」と「ノミ行為」とのセットによって実現してきたからではないかと強く疑われるのです。
自分がこの長文を読んで、山本一郎氏が問題視している部分は以下の部分だと思うのですが、どうでしょう?
仮想通貨の取引を使った「原野商法」と「ノミ行為」とのセットによって実現してきたからではないかと強く疑われる
単にノミ行為をしているから駄目だと言っているのではないと思うのです。コインチェック社が取引所の立ち位置なのか証券会社の立ち位置なのかよく知らないですが、「実際に所有もしていないものを(取引ごとに実際に当該仮想通貨を売買しないことを明示せず?)さも持っているかのごとく売って、手数料を稼いで高収益を上げる」というのが果たして倫理的にどうなの?という話と理解しています。
もちろん、これは山本氏の推測が正しければ、の話ですし、事前に開示されていればそれは利用者がその業者を使えばよいかを判断すればよく、そこをよく知らないでやってたなら自業自得なのですけど。FX業者は皆やっているとか言ってますが、彼らはちゃんと条件を示してそれに則ってやっているはずですが、コインチェックはどうなんですか、という話をごまかしている時点で、どうかな、という。まあ、堀江氏は文春嫌いだからなぁと邪推してしまいますが、炎上商法だから気にしないのかな。
もちろん、仮にノミ行為をしていたとして、コインチェック社にメリットがないんじゃないの、という指摘もあります。売りが手数料収入を超えたら破たんしますから。そもそも、ノミ行為って店頭販売とかで売りたい客にもっと上がるから今売っちゃダメ、とか調子のいいこと言って売らないように誘導することで成り立つわけで、そういうのがないネットでの販売でノミ行為が成り立つの?という指摘は正しいように見えます。もっとも、店頭でのこの手やり取りがなくても、今投機で仮想通貨に飛びつく人って自ら「今売っちゃダメ」って自分に言い聞かせちゃいそうなイメージはあります。仮想通貨自体は1,000種類くらいあるらしいので、まだ知られていないマイナーな通貨を「取り扱い開始しました」とやれば、そちらに乗せ換える人が多ければ、帳尻は合うのかな、とも思います。こうなると原野商法というより焼き畑農業?
出勤はできないけど、入金は可能
コインチェックのウォレットには、現在でも入金は可能だそうです。もちろん、出金はできないし、取引もできないのですが、何のために入金できるようになっているのか、よく分かりません。仮に結果的にそういう状態なのだとしても、ユーザ向けの告知でわざわざ「入金できるけど出勤できないよ」と明示して火に油を注ぐ意味がよく分かりません。