通信の最適化問題

携帯電話の通信で、主に通信が混雑しているときに画像や動画等のデータ量を減らすことを「通信の最適化」と呼んでたりします。業者にとっての最適化であって、ユーザにとっては最適でも何でもないですが、こういう業者視点の言葉っていっぱいありますね。
それはさておき、mineoが通信の最適化をしている、というのが話題になってました。この時よく出てくるのが通信を改ざんしている、とか同一性保持権侵害とかいう話です。個人的にはそれは屁理屈だと思いますが、法的な決着が出てないので、騒ぐ人たちがいます。どういう結論が出るかわかりませんが、一度出してもらえるとすっきりすると思うのですが*1

ちなみに、動画配信サイトは混雑時にビットレートを下げる≒画質を下げることを普通にやってますが、そっちも法的結論は出てないのですかね。改ざん、改ざんと騒いでいる方は、まず動画サイトを改めさせてはいかがでしょう。

なお、同一性保持権については、やむを得ない理由がある場合は侵害になりません。やむを得ない理由って何よってことになりますが、法律はいちいち個別の事象をあげたりはしないので、そこは法の趣旨を組みつつ、判例を元に判断することになります。
Wikipediaを見ると、やむを得ない理由の一例として、例えば音楽などで演奏技術が未熟で原曲を再現できない様なものをあげています。まあ、原曲を再現なんてのも判断根拠があいまいでどうとでも取れそうなものですが、それを理由に「同一性保持権侵害だ」と騒いでも認められないわけです。

この事例や法の趣旨からしても、通信の最適化で非可逆圧縮をかけたら同一性保持権侵害なんてことは個人的には、その発想はなかった、の世界なのですが、自分は法律や通信の専門家ではないので、一個人の感想です。公共の利益をかんがみて、通信量が多いような状態での通信の最適化はやむを得ない理由に十分なりえると思うのですけど。もちろん、特定の人、団体等を狙い撃ちにしたようなものなら、そりゃどうよってことになりますけど。

*1:まあ、出た結論が意にそわない人は結局騒ぐのですけど。