ガチャ課金の上限規制

朝日新聞がいわゆるソシャゲ-のガチャについて、業界団体が自主規制で5万円の上限を行うという報道をして、そこが問題じゃないだろ、という突っ込みを受けてます。どうも、書いてる記者が分かってない人らしく、必要十分なことを書いてないので誤解を招いているようです。ちゃんとソースを当たったり調べたりしないで脊髄反射で批判する人も多いですからね。それを狙ったのではないかという記事も多いですし*1

ツッコミどころが多いので、全文引用させていただきます。

 スマホ向けソーシャルゲームで高額な課金が問題になっている
有料くじの「ガチャ」について、業界団体「日本オンラインゲーム
協会」は24日、課金上限額を5万円とし、当たりの確率を明示
することなどを柱とした自主規制をまとめた。加盟社だけでなく、
主要なソーシャルゲーム事業者が参加するモバイル・コンテンツ・
フォーラムにも順守を求める。

新聞では「遵守」とは書けないのでしたっけ? 記事の順番からして記者は上限を設けることを当たりの確立の明示より重視しているようです。この辺の意識の差から、おそらくボタンの掛け違いが起きているのかと。
あと、上限額はよいとして、それがどういう期間だか分かりませんね。月だろうとは思いますが、日かもしれないし、あるいは特定の「○○ガチャ」の期間内のことかもしれません。まあ、まずは概要を書いているだけかもしれないので、先に進みましょう。

 改正したガイドラインによると、
①ガチャで希望するアイテムを得るまでの総額は1回あたりの
課金額の100倍までで、上限額は5万円
②アイテムは種別に当たる確率を明示
③社内に運用責任者を定めアイテムの確率設定などを記録に残す

――などとしている。4月から実施する。

1については通常、ガチャは300円、お高いコロプラ等は500円なので、その100倍ということで5万円かと。300円のガチャについては3万円が上限になりますね。「希望するアイテムを得るまで」とあるので、この上限額は月とか日ではなくて、ガチャの期間中ということと想像できます。まあ、どのみち希望するアイテムを得るまでという当たりも曖昧ですけど。
2についてはこれだとレアリティ別の確率を明示、としか読み取れませんが、これをやってないゲームが今時あるのでしょうか?
3については直接ユーザの目には触れないのであまり関係ないでしょうか。

まあ、記事の論評から外れますが、個人的には以下のことはやって欲しかったですね。

  • ガチャの1回の金額の低減(100円ないし200円が妥当では。高くても300円が上限)
  • レアリティ毎ではなく、カード毎の確率の明示
  • 事後にガチャ結果での表示(総ガチャ回数、レアリティ別の出た階数と比率、目玉についてはカード別の表示)

これくらいはやらないと延々と言われ続けるだけだと思うのですが、小手先の規制で業者の一致できる線を探ったのでしょうね。

 ガチャはハンドルを回すとカプセルトイが出てくる「ガチャガチャ」が語源とされる。ゲーム画面のボタンをクリックすると課金され、ゲームに有利になるアイテムが当たる。多くのゲームではアイテムが当たる確率が明示されていない。

この辺は実情を知らないのか端折って書いたのか。まずはゲーム内通貨に両替(ここで課金)を行い、それでガチャを行うのが普通ですよね。あと、上にも書きましたが今時確率が明示されてないゲームなんてあるのでしょうか。自分が知っているものではそんなものなかったはずですけど。そんなのは論外ですね。

 年末年始にあった人気のゲームのイベントでは、「70万円以上購入してもあたらない」という苦情が消費者庁に多数寄せられていた。専門家からは「射幸心をあおり、法規制が必要」という批判も出ていた。(重政紀元)

まあ、最後はどっかのネットのネタを拾ってきたのか。もっと使ったという話もあったはずですけど。

もっとも、一番の問題は日本オンラインゲーム協会、および、モバイル・コンテンツ・フォーラムに加盟していない会社も多いらしいことでしょうか。日本オンラインゲーム協会はどちらかというとPCのブラウザなどで遊ぶゲームの団体で、いわゆるソシャゲ企業は少ないです。モバイル・コンテンツ・フォーラムはよく聞くような会社ははいってますが、スクエニとかセガが参加していなかったりします。

*1:高給取りの記者様がまともな日本語を扱えない、なんてことはまさかないと思いますので。まさかね。