民主党と明智光秀

明智光秀ファンには怒られるかもしれませんが、個人的な見解として民主党明智光秀って似ているかな、と。生い立ちとか人柄とか政治信条とかそういうの一切除いて、本能寺の変から山崎の戦いまでの身の振り方とかに絞った話です。
超個人的な見解として、明智光秀が天下を取れなかった理由は色々な要因があるものの、天下にビジョンを示せなかったと言うことに尽きるのではないかと*1

とりあえず確かそうなことだけ並べると

  • 当初明智側は柴田に備えて東の備えを考えていたが西には注力していなかった
  • 羽柴が想定外の早さで畿内へ戻ってきた
  • 畿内の諸勢力(特に筒井、細川)の協力が得られなかった
  • 結果、羽柴側が明智側の2倍以上の兵を集めた

羽柴秀吉が信長の弔い合戦という明確な目標を味方武将と共有できたのに対して、明智側は謀反後をどう考えていたのかがよく分かりません。勝っていればいろいろ史料が残ったかもしれませんが、負けてしまったので何もありません。勝った側の残した恣意的な記録しかないので何も分かりません。
が、結果論を見ると賛同を得られなかったようです。
まあ、少なくとも今まで一応同格だった柴田や丹羽や羽柴が明智の下に付くというのは誰が考えてもなさそうな感じです。そうなると、しばらくは旧織田勢力内の勢力争いが続くと見て日和見するのも無理からぬ話でしょう。明智が圧倒的な力を持っていたなら別ですけど、少なくとも柴田や羽柴が居るわけですから、すんなりと明智が織田の後のポジションに付けるとは誰も思わないでしょう。そこへ、予想外の早さで秀吉が戻ってくれば、どちらに勢いがあるかというのは自明かと思います。
しかも、羽柴側は主君である信長を討った明智は悪者という単純明快な主張をするだけでよいですが、明智側がそれを覆すには信長の非道を訴えると共に、自分の正当性を示す必要がありますが、それは難しいでしょう。結果を見ればそれができなかったから負けたと言えます。

一方の民主党も全てが受け身で、どうしたいのかというのがよく見えません。だから、反対ばかりと言われるのですが、当人は分かっているのでしょうか。上の記事でも「安倍首相が掲げる『1億総活躍社会』に対抗し、『1人ひとりを大切にする国へ』などとうたっている」と書かれる始末です。これも「受け身」ですよね。その「1人ひとりを大切にする」とは何をするのでしょう?こう書くと「1億総活躍社会」もよくわからないじゃないか、と言うでしょう。そうですね。で、それが何か?
相手と同じことやってたら駄目だってことくらい理解しましょう。相手が抽象的なことを言うなら具体的なことを言わなきゃ駄目ですよ*2政権交代やって駄目だった(もしかして、駄目だったと思ってない?)、議席数で自民党に大差を付けられている、これは謀反を起こした上で倍以上の羽柴軍に対峙した山崎の戦いでの明智の境遇です。そこで、敵方や中立の勢力を取り込みたい明智が「明智は嫌いだけど、信長のつくった体制は守りたい」、「すぐに信じなくてよい。信長麾下の一軍団長として羽柴軍を止めたい」なんて言って味方してもらえると思ってるのですか?「一強打破」が先にあるのではなくて、あなた方の政策が一強を打破するのですよ。
お題目なんていくら唱えたってなんの役にも立たないことくらい、いい加減気付きましょう。

*1:真相が分からない部分も多く、未だに謎が多い事件なのでちょっと乱暴ではあります。

*2:別にキャッチフレーズとして「1人ひとりを大切に」とか言うのは構わないですよ。ただ、与党の政策のこういう所が1人ひとりを大切にしてないから、そのために民主党はこうする、ってことを言わなきゃ意味が無いです。