今週の週アス

今週の週アスですが、Win8関連の記事が多い感じがします。その分、読み飛ばしてしまいました。

本田氏のApple擁護

どこかのWebサイトに掲載されて一部で批判されている本田氏のApple擁護記事ですが、なんかほぼそのまんま要約みたいな感じで週アスにも掲載されています。まあ、最後の方はAppleの不安要素も少し上げて、公平さを漂わせていますが。
ただ、要約しすぎて元の記事を読んでない人は本田氏の意図を誤解するような気もします。例えば、論点の一つになっているディスプレイの調達数が6500万台の予定が半減したという件。元の記事では出荷数に比して6500万台調達というのがそもそもおかしいという論旨*1ですが、週アスの方ははしょった書き方で訳が分かりません。6500万台が半減したのは需要が下がる時期だから当然、といった書き方になっています。これだけ見たら、すごい馬鹿げたことを言ってます。これ調達数が半減したという話ですよ。氏の話を鵜呑みにすれば、Appleの生産関係の責任者は当然予想される季節的な変動要因を考慮せずに、昨年
の出荷数よりも多いディスプレイパネルを調達しようとして、結果として半減させた、という話になるんですから。Apple社は生産管理が根本的にできていないと指摘しているに等しいと思うのですが*2
元の記事になかった話では、株価がどうのという話がはじめの方にありますね。これもまた投資家を馬鹿にした話で、氏の話を鵜呑みにすると、投資家は目先の記事に吊られて「現在」しか見ていない、ともとれる書き方になっています。まあ、そういう人も居るでしょうが、実際には投資家も馬鹿ではないので、件の記事だけを鵜呑みにして売り払ったわけでもないでしょう*3
個人的にはAppleの天下がいつまでも続くわけがないと思っています。Appleの売り上げが伸びているのは、新しいiPhone等を出すたびに、販売国やキャリアを増やしているからです。そんなやり方をしていたところで、いつかどこかで成長は止まります。そうなった時に、量から質へと転換できるならよいのですが、所詮Apple単独でやっている以上限界はあります。Androidの場合、複数のベンダがあります。いわゆるGoogle公認に当たるNexusシリーズも複数のベンダが開発しています。どこかが駄目になっても、別の会社がよい端末を出す可能性があります。その分、Googleは提供するサービスに注力できます。ハードもソフトも自社だけでがんばらなければならないAppleとは違います。今の独りよがりのAppleを象徴するのがiOS6のマップでしょう。
あとはまあ「売れない」の意図が本田氏と氏を批判している人々では食い違っている気がします。本田氏はあれだけ売れてるのに「売れてない」のはおかしいと言ってます。だから、6500万の調達数がおかしいという話になっているのかと思います。でも、元々の記事はおそらく「(Appleが思っている/思わせているより)売れていない」という話だったはずです。だから、(真偽は不明ですが)6500万台分の調達をしたがそれだけ売れる目処がないから生産も減らすし調達数も減らす、というストーリーかと思います。今回の株価ダウンはまさにここを見ていて、Appleでさえもいつまでも右肩上がりは続かない、ということから高い今のうちに売ってしまえ、という話になったのではないかと思います。

*1:しかも、ウォールストリートがその数字を削除した、と記すことで暗にウォールストリートの誤報という氏の主張が正しいかのように見せています。実際には、6500万台というのが本当か嘘かなんて公開されている情報では分かりません。氏の主張では売り上げが最高だった昨年の年末商戦の出荷数が5000万台なんだから四半期に6500万台分のディスプレイ調達はあり得ない、としています。が、年々右肩上がりのAppleが今年も前年より延びると予想していた可能性は結果だけを見て排除しているかのようです。

*2:911や311みたいな突発的な需要減の要素があったのであれば別ですが。さすがに、そんな馬鹿なことがあれば、生産の責任者の首が飛んでいるかと思いますので、実際にはそんなことはなかったのでしょう。となれば、6500万台が半減というのがそもそも間違いだったか、そうでなければAppleが意図的にそういう事をやった、と言うことになるように思います。後者は例えばAppleがベンダに対して実際に必要な量より多めの発注をかけてコストを下げさせたあげく、実際の買い取り数を減らしたという悪質な商行為の可能性もある様に思うのですが。あくまで6500万台を半減という話を信じればの話です。

*3:実際には、今時の株売買はプログラムで行われているので、優良株だったAppleのちょっとの変動に反応して売りが連鎖した可能性が高いように思います。ただ、その後あまり戻してもいないようなので、やはり投資家はAppleの先行きに不安を感じているのでしょう。現在の売れた売れなかったという話ではなく。