京急のダイヤ改正情報に大田区議怒る

ちなみに、京急の新ダイヤ情報はまだ正式には発表されていません。一度、公式HPに出たようですが、なぜか削除されてしまったとか。もちろん、行政側や議会の一部には情報提供されているようです。

いったい何に怒っているのかというと、蒲田辺りの連続立体交差事業には都や区も多くの金を出し、工事の騒音や日照権の問題など、多くの被害を大田区民は受けているのに、エアポート快特京急蒲田駅を通過するのは何事か、と言うことだとか。しかも、冷静に抗議するのではなく、「ふざけるな」といった感情的な台詞でぶちまけてる幼稚な記事です。

そもそも、連続立体交差事業とエアポート快特にはなんの関係もありません*1。交通渋滞の解消というメリットがあり、そのための連続立体交差事業なのだから目的も果たしているのに、この区議はエアポート快特が止まらないことでまったくメリットがないかのように書き殴っています。

そもそも、空港線が空港に乗り入れる前のローカル線だった時代には、京急蒲田快特は止まりませんでした。空港乗り入れが行われ、乗換客の利便を図るために京急蒲田に止めるようになっただけです。エアポート快特でない快特は従来通り止まるんだし、品川から蒲田に行きたいだけなら特急、急行、普通とどれでもよいし、本数も十分にあるはずです。エアポート快特を蒲田に止める意味がありません。

この区議は蒲田に止める1分くらい大したことないし、横浜方面の乗換が出来ないじゃないかと書いています。馬鹿言わないでください。まず、1分の件ですが、停車時間30秒として、その前後のか減速の時間を考えると、1分じゃ済まないでしょう。90〜120秒はロスが出るでしょう。モノレールとの競争があるのに、1分くらいたいしたことはないとは、京急側では受け入れられないでしょうね。
後半の横浜方面の乗換なんて、何も考えないで書いているのが明らかです。品川から横浜方面に行くのにエアポート快特に乗るバカがいますか。蒲田で先行の横浜方面の快特に接続するとかならともかく、そんなこともないでしょうから関係ないです。まあ、誤乗の問題はありますが、そんなこと言ったら東海道の通勤快速とか、京葉線の快速とか、もっと恐ろしいですよ。

とにかく、政治屋のつまらん見栄で鉄道会社の運営に横やりを入れるのはいい加減にしてください。それが鉄道を衰退させるし、それで損を被るのは結局のところ地元住民ですよ。

削除されたダイヤ改正情報のおかしな点

一部に大田区からクレームがあったので今から蒲田停車に切り替えるのではないかという憶測もあるようですが、半月でダイヤ書き換えとか、ちょっと無理じゃないですかね。そんな余裕(ダイヤ改正までの時間的余裕とそもそもダイヤ上の余裕)があるかどうか疑問です。

それはさておき、削除されたダイヤ改正情報に明らかにおかしな点があるそうです。新設される新逗子〜蒲田〜羽田空港エアポート急行(現在、文庫で快特に連結される特急羽田空港行)は8両編成と明記されていますが、その停車駅である杉田と仲木戸のホームは6両までで、8両延伸工事の完成が10月。つまり、横須賀線田浦駅のような一部戸締めにしないと杉田と仲木戸に止まれない、と。
よって、一部に10月改正の内容を誤って記載したんじゃないかという話もあるようです。

まあ、なんにせよ、横浜〜羽田空港を結ぶ列車が8両になるのはうれしいです。今までは4両編成なので結構混雑してましたから。上りの文庫での快特の到着待ちや川崎での切り離し作業と停車位置修正のロスや、下りでの多摩川上での快特の到着待ちがなくなりますし*2

蒲田駅の乗降客数

平成20年度1日平均乗降客数ランキングによると、1.横浜、2.品川、3.泉岳寺、4.上大岡、5.京急川崎、6.羽田空港、7.金沢文庫、8.横須賀中央、9.金沢八景、10.京急蒲田、11.京急久里浜だそうです。八景は54千人、蒲田は49千人、久里浜は44千人です。久里浜までの快特停車駅を見ると、品川(2)-京急蒲田(10)-京急川崎(5)-横浜(1)-上大岡(4)-金沢文庫(7)-金沢八景(9)*3-横須賀中央(8)-京急久里浜(11)*4と、快特停車駅では底辺となります。横須賀中央の70千人が最低レベルで、八景と蒲田は支線接続の利便を図るための停車なのは明確です。そこにエアポート快特止めろとか、いったい、何を言っているのでしょう。

緩急接続のことを考えたって、品川から蒲田まで行ったら、あとは雑色、六郷土手、京急川崎です。蒲田での乗換は空港線しかないわけです。正直、空港線さえなければ蒲田なんかに快特を止める意味は皆無です。JR蒲田駅とも離れているのでJRとの競合もあまり関係ないですし、止める理由がありません。単に、地元の駅に優等列車が止まって欲しいってだけのことでしかありません。蒲田のエゴを通せば、同レベルの青物横丁、平和島、追浜辺りが快特停車をいっそう叫ぶでしょうね。品川〜蒲田の所要時間が多少増えますが、それらの地域の住民の利便のためなんですから、当然、大田区は快く認めていただけるのですよね?*5

蒲田から空港へ行きたければ空港線の列車がありますし、品川や川崎、横浜に行きたければ快特があります。都心からの空港アクセスを改善するという話になんで蒲田がしゃしゃり出てくるのでしょう。ノンストップのエアポート快特は品川と空港を16分で結ぶと(なくなった)プレスリリースにはあります。これを蒲田に止めたらおそらく18分になるでしょう。10月の国際線ターミナルが出来たらさらに1〜2分増えますから、おおむね20分になります。東京モノレール空港快速は浜松町と空港第1ビルをノンストップ16分です。なんで蒲田に止めたくなかったのかが見えてくるかと思います。

*1:もちろん、現状の京急蒲田駅の構造では、通過列車を設定するのは難しいでしょうから、工事ありきのエアポート快特ではありますが、立体交差事業は踏切による交通渋滞の解消が目的であり、エアポート快特のためにやったわけではありません。

*2:趣味的には少し寂しいですけど。

*3:新たに停車予定

*4:堀ノ内〜北久里浜は省略。各駅停車の補完の意味があるので。

*5:そもそも平和島駅大田区ですし。