JR東日本の事故はやはり多かった。

多いな、と言う印象はありましたが、客観的にも多かったようです。

産経新聞の記事、「頻発するJR東の輸送障害…私鉄の11倍以上」によると、国に対する報告義務がある30分以上の遅延か運休について、大手私鉄の11倍に及ぶのだとか。これは単純な発生件数ではなく、列車走行100万キロ当たりの件数です。これがJR東日本は1.7件、大手私鉄15社が0.15件と11倍以上だったとのこと。これに並ぶのはJR西日本で、東西JRは大手私鉄と比べて突出して運休や遅延が多いということになります。そのうち3分の1が内部要因(内部の人間のミスや車両や設備等の故障等)だったとのことです。記事によると京王、京急、阪急等は内部要因による遅延、運休はなかったそうです。JR東日本は首都圏の障害対策に3000億円をかけると言ってるそうですが、金額自体は大きいものの鉄道営業収入に対する比率で言えば大手私鉄の大半を下回るそうです。

JR東日本では国に対する報告義務のない30分未満の遅延については報告も公開もないのはもちろん、内部統計すら取ってないと言っています。問題点があれば都度対応するとは言っていますが、そんなのは当然です。公開したくないから無いと言っているだけであればまだよいですが、もし本当に統計すら取っていないとすれば、人の命を預かる企業としてはかなり問題でしょう。うちの会社の様な単なる製造業で、人命とかも直接的には関係ないソフトウェアの開発でも、内部での欠陥の発生状況や原因については統計、分析します。記事中では京急を例に挙げていますが、こちらは国の基準より厳しい内部規準に照らして事例を公開しているそうです。実際に京急のWebサイトに行くと鉄道安全報告書という40ページの文書が公開されています。JR東日本にはそのようなものは見当たりません*1

*1:おそらく、全くないわけではなくて、色々な資料の中に埋もれているのかと思います。