B787引き渡しは1年後&ANAの2008年度機材計画

最近、「B787がさらに遅れる」と言う話は10日前のこの日記にも書いたが、その時は遅れの幅が明確になっていないと書いた。が、16日のボーイングの発表ではある程度明確化されていて、初飛行が第2四半期(2008/04-06)、最初の引き渡しが2009年前半にずれ込むと1していたようだ。そのことに、10日も気付かなかった自分も間抜けだ。

そんなわけで、当初は2008年5月に引き渡し予定だったのだから、最低でも丸々1年前後遅れる事になる。初号機を受け取るはずだったANAの動向はよく分からないが、ANAの「世界初」のポスターがなんとなく哀れだ*1

それを反映したのか、先日発表されたANAの2008年度の機材計画は、新規導入分にB787が入っていない。

新規導入機材

名称 備考
B777-300ER 1 国際線機材。B747-400の置き換え。
B767-300ER 2 中・近距離国際線機材。貨物型改造の2機の置き換え?
B767-300BCF 2 旅客型から貨物型への改造。
B737-700 1 A320の置き換え。
B737-800 5 A320よりちょっと大きいけど、置き換え。

退役機材

名称 備考
B747-400 2 JA401A(国内線用),JA8095(国際線用)。
B767-300ER 2 中・近距離国際線機材。貨物型へ改造らしい。
A320-200 6 今後、B737-700/800への置き換えが進む予定。
F50 3 2008年度に全機退役。導入済みのボンバルディアDHC-8で置き換え?

上記備考はANAの公式見解ではありません。

本来*2なら、B767-300ERの2機導入はB787の2機導入だったのかもしれない。って、B767-300ERって、前年の発注で翌年に納入できるんだろうか。2007年12月時点で1011機の受注に対して958機を納入済み。53機をまだ引き渡していない。ここ4年の納入は年に10機程度なので、まあ去年とかの発注じゃなくて何年か前なんだろう。2004年のB787開発スタート前の発注だろうか。ANAの767も古いものは21年目。退役が進むB747-400よりも古かったりするので、そろそろ変えたいところではあるだろう。ANAB767-300はある意味主力機なので影響も小さくないが、まあ、何とかするのだろう。個人的には退役するA320パイロットをまったく違うボーイング機に転換するより、リスクヘッジの意味でもA330-200辺りを導入した方が安心な気はするのだけど*3。今年末に8機が機齢20年を越え、年5機程度のペースで増えて行き、2012年までに半数近い26機が越えてしまう。B787-8が仮に2009年前半から引き渡しを開始したとして、B787-3の引き渡しは2009年後半から2010年前半。2年ないし2年半でそれだけのB787-3を調達できそうには思えない。まあ、別に20年を超えたからダメという事はないのだが、離着陸の多い国内線B767-300はあまり引き延ばしたくないような。

JALの場合、B767-300は少ないし、同クラスで新しいA300-600Rがあるから慌てなくてよいのかもしれない。

*1:まあ、世界初で受け取る事自体は変わらないのだけど。と言うか、正直受け取って大丈夫なのかという気もしないでもないのだけど

*2:B787が2008年5月導入だった頃。

*3:効率重視の機種統合計画からは外れるが、B787に何か問題が発生した場合にどうしようもなくなる。LCCの真似事をしなくてもよいように思うが。