望遠レンズの圧縮効果

最近ちょっと話題になった「望遠レンズの圧縮効果」について、そんなものはない、という話が少し話題になりました。

元々はとある市民団体がベイブリッジと米軍ヘリが移っている写真を示して、米軍ヘリがベイブリッジの真横を飛んでいる!問題だ!と騒ぎ、それを東京新聞が記事にしたことに始まります。
その写真を見た人が、これ「望遠レンズの圧縮効果」だろ、実際にヘリがベイブリッジの近くを飛んでいるわけではない、東京新聞はそんなことも知らないのか、と言い始めたわけです。

そこに突如話題になったのが「望遠レンズの圧縮効果」なんてものはない、という話。別に実際にヘリがベイブリッジのすぐ横を飛んでいるのだ!とかいう話ではなく、いわゆる圧縮効果は望遠レンズでのみおこるわけではないのだから、「望遠レンズの圧縮効果」なんてものはない、という話でした。そらまあ、たしかにその通りですが、望遠レンズを使うとそういう効果がより顕著に簡単に出せるので、「望遠レンズの圧縮効果」と長いこと呼ばれてきたわけです。フィルムで写真を撮っていた頃はトリミングするなんて普通の人はあまりやらなかったので、圧縮効果を出したかったら望遠レンズを使うのが当然とみなされていたのですね。

広角レンズで撮った写真でもトリミングすれば同じ*1じゃないか、という話で、確かにまあその通りです。まあ、分かっている人はそんなことは分かったうえで言ってるのですが、それを聞いた分かってない人が、誤解してしまうので正しい使い方をするべき、というのもわからないではないです。でも、そういうこと言い始めると、単に「○○の○○」で済むことが「○○の○○による○○」みたいな分けのわからない表現になって、結局、誤解を招くのでは?と思ってしまいます。

そんなわけで、厳密性にこだわる人と、なんとなく雰囲気が伝わればいいじゃんという人の間ではいつもこの手の話題が盛り上がります。鉄ヲタに電気を動力としない鉄道車両のことを「電車」と言うと「であれは電車ではなくて...」とか言い出すのと同じですね。いやまあ、当人にこんなこと言うと、またいやそれはこういう例であってこれとは違う、みたいなことを言われるのでしょうけど。

あとまあ、専門家が特定分野の話題を専門家同士で話す際に専門用語を使うのは、そうしないと細かい相違で話がすれ違ってしまうからです。まあ、せいか訓問題も影響するでしょうけど、それだけではないです。そのノリを日専門分野の人にやると、怒られます。将来その道に進むとかいうのでなければ、話が簡単に通じる方が厳密性より優先されると、私は思ってます。まあ、私もプログラムにバグがないよね、と言われるとちょっと考えちゃいますけどね*2

*1:もちろん、違うレンズなのだから、厳密に比べれば色々相違はあります。

*2:バグがないプログラムなんてない、なんて話をお客さんとしても仕方ないので、まあ、バグはありませんと言います。後で見つかったら、ごめんなさい、と。