週アス、電子化1号にがっかり
まあ、こんなことだろうとは思った程度のことしかやってきませんでした。
事実上の廃刊となった週刊アスキーの電子版第1号が本日発売されました。最終号のカオスでアカザーが画伯にカラーも使い放題みたいなことを言ってましたが、この電子化1号は確かにカラーページが増えていました。占いページ他、従来は白黒だったのがカラーになったり、増ページした連載があったりします。さすがに元々WEB連載でカラーのカレットさん以外のマンガは白黒のままでしたけど。マンガの方はおいそれとはカラー化はできないでしょうね*1。
しかし、「ASCII」の流れを(一応)汲んだ週刊アスキーですから、もしかして、電子版らしいことをしてくれるのかと(多少は)思っていました。それじゃなければ(実際は単なる廃刊なのに)あんな大々的に完全電子化を謳う様な厚顔無恥なことはないだろうと。甘かったです。InternetWatchの記事によると「印刷版と変わらない『週刊アスキー』らしいデジタル関連記事を展開している」とのことですが、なんで印刷板前提なの、と思います。正直なところ、週アスに限らずほとんどの雑誌の電子版って相当見にくいです。紙ベースのレイアウトなのでスマホでは画面が小さすぎて論外でしょう*2。8インチタブでギリギリ「ちょっと字が小さいかな」程度*3。10インチタブになると今度は1ページ表示だと実物大に近くはなりますが、ここまで来たら見開きで表示したくなります。
Comicoでしたっけ。従来のマンガレイアウトを崩さなかったWEBコミックの世界で、当たり前と言えば当たり前な縦スクロールだけで読める様にしたのは。今朝の電車でも隣にいた人が見てましたけど、あれは正解です。タッチするとなんとなくコマ割りの順に動く様なケータイコミックサイトもありましたが、紙からの流用の時代はそれで仕方なかったとして、WEB前提となったら当然スタイルも変えるべきでしょう*4。そんな当たり前のことを今までしてこなかったわけです。週アスには少しは期待したのですが、やはり殻を破ることはできなかったようです。
結局、雑誌前提のレイアウトをされると読者にとってはすごく不便なのです。なのに、完全電子化した週アスはすっとぼけて印刷版と変わらないなどと言ってるわけです。まあ、新しいシステムを考える能力がないのか、金がないのか、何も考えてなかったのかは分かりませんけど。
6/8までは電子版は100円ですが、以後は333円になるそうです。紙の値段とほとんど変わらないですね。末期は使い物にならない付録を付けて値上げしてましたから、それに比べれば安いですけど。
読者視点でまとめると
メリット
- いつでもどこでも電子ストアで購入できる*5
- 電子書籍ストアによっては自動ダウンロードや購入が可能
- 少しカラーページが増えた*6
- ゴミにならない、無駄に紙資源を使わない
- 内容に誤りがある場合、更新することができる*7
デメリット
- 見にくい
- 他人に渡せない、借りられない、転売できない
- 電子書籍ストアによっては購入が面倒*8
- 電子書籍ストアによってはストア等の都合で購入したものが見られなくなることがある
- 書き込みできない
- 電子書籍ストアによっては保存性に制限がある可能性もある
- 本質的な問題ではないですが、電子書籍ストア側や提供側の規定や制約等で掲載できないコンテンツがある*9
電子版ならではの便利な機能もなく、紙時代とほとんど変わらない状態で、よく「完全電子版」を名乗れると感心しました。
*1:もっとも、WEBコミックは概ねカラーですよね。雑誌掲載の流用をしているところは別として。
*2:スマホ向けに最適化したレイアウトにしている雑誌も少数ですがあります。
*3:XPERIA Z3 Tablet Compactでdマガジン、BOOKWALKERで見ると上下に余白ができて残念な感じ。
*4:まあ、単行本化は難しそうですけど。雑誌と単行本で二重に儲けるというビジネスモデルがもう破綻しかけているのでしょう。ちなみに、Comicoはどうやって儲けるのでしょう? 個人的には絶対関わりませんけど。
*6:まあ、それが本当にうれしいことかは...
*7:実際にするかは分からないですし、やらないでしょうけど。
*8:カートに入れて決済画面を呼び出して、支払い方法を選択して、それに応じてオプション操作があって...。紙雑誌なら本屋やコンビニ、キヨスクで現金かICカードなどで支払うだけ。
*9:逆に紙媒体では駄目で電子ならOKというものもあっても良さそうなものですが、あまり聞いたことない様な。