今週の週アス

Apple

MacBookやAppleWatchの話を延々と続けられて、興味が無い人間からすると迷惑この上ありません。頭の方の石川氏のコラムは週アス+でだいぶ前に出した記事の使い回しだし。

で、そのAppleWatchですが、200万円とかあり得ないです。高級時計が高いのは職人の手作業で機械式時計を組み立てるからです。AppleWatchは所詮工場で機械で製造しているものでしょうに。国内のお高い時計の代名詞、グランドセイコーのクオーツモデルで定価ベースで265万円の時計があります。ケース、バンドは18Kイエローゴールド、ガラスはデュアルカーブサファイアガラスで内面無反射コーティング、年差10秒という時計です。
一方、AppleWatchは18Kなのはケースだけ*1サファイアガラスは使っているようですが、下面は多分平ですよね。針があるわけではないし。コーティングも不明です。

時計と言うからには精度ですが、世界標準時とのずれが0.05秒以内でクオーツ時計を凌駕している、と宣伝しています。というわけで、時計なのに具体的な精度は現時点では不明です。
この「0.05秒以内」のからくりは、iPhoneと通信してiPhoneの時計と合わせるようです。iPhoneの時計は基地局GPS電波由来かと思います*2。普通、時計の精度は合わせた状態から1日/1ヶ月/1年にどのくらいずれるかという日差/月差/年差で表します。普通の機械式時計は日差、クオーツなら月差、上記のGSの様な高級な時計は年差で精度を謳うわけです。AppleはAppleWatch単体では精度が出ない*3して、実際は理論値で現実には誤差だらけ、と言うパターンのような気もしますけど。あるいは、すごく限定された条件での瞬間値だとか。))ので、このような書き方をしているのかと思います。なお、1日に1度標準電波で時刻を合わせる電波時計でも、通常は電波非受信時の精度を記載します*4。これで「クオーツ時計を凌駕」とは笑わせます。補助輪付きの自転車に乗って、自転車に乗れると言い張るようなものです。と言うか、そもそもiPhoneはそんなに頻繁に時刻を補正するのでしょうか。そうでないと「0.05秒以内」は達成できませんけど。iPhone機内モードにしたりすると、たちまちAppleWatchの素の精度になると思いますが、はてさて、どの程度の精度なのでしょう。

また、AppleWatchは日常生活防水だとか。心拍計をつかって運動時の計測ができるというものが日常生活防水で大丈夫ですかね。その辺も、やりたいこととできることに乖離がある気がします。色々スペックは盛り込んで、個々の項目はすごいように見えるのだけど、総合してみると意味がなかったり。

なんかAppleWatchを質感がよいとかやたらと持ち上げてる人達がいますが、それらの人達はなぜAppleが一夜にして時計を変革できる、と思っているのかが不思議です。Appleは既存のものを組み合わせてさも新しいもののように見せかけるのは得意ですが、実際の技術は持っていません。加工技術だって量産製品なんですから、そんなにすごくよいわけはないのです。そんな技術があるのであれば、AppleWatch以前にスイス時計業界が終わってます。

AppleWatchが売れそうな所は以下くらいじゃないですかね。

  • 今は腕時計をしていなくてフィットネスに興味のある人
  • すでに類似の製品を着けている人
  • 安い腕時計をしていて流行に敏感な人*5
  • アップル信者

*1:よく分かりませんが、電波で通信を行う必要があるので全てが18Kではないのではないかと思います。

*2:先日電気屋さんがauとドコモでは時刻が違う、auの方が正確と言ってましたけど、本当ですかね? これが本当だとすると、キャリアによってAppleWatchの精度は異なることになってしまいます。

*3:通常のクオーツ並みと思われます。月差10〜15秒くらい? その精度で0.05秒以内を保証するには毎秒時刻修正が必要になるのでは? そりゃ電気を消費するわけです。まあ、言ってることが本当なら、ですけど。0.05秒という時計としては意味のない数値を挙げてさもすごいことをしているかのように吹聴((ちなみに、AndoidWareでもスマホ側の時刻での補正は普通にしているようです。頻度は知りませんけど。

*4:私のCITIZENのソーラー電波時計なら月差15秒、つまり、1ヶ月後の誤差が15秒以内です。

*5:つくられた流行に乗りやすい人