前回の清盛

日曜は出かけて清盛を見なかったので、土曜の再放送を視聴。

前に清盛の叔父である忠正と父である忠盛は史実では仲が悪かったらしいと書きました。絆だなんだの言って清盛と弟の頼盛が現時点で仲が悪いのと同じです*1。忠正は早くから崇徳院に仕えており、悪左府頼長に近い人物だったので、あんな「いい人」解釈をするまでもなく、本来は崇徳院側の人間です。しかし、今大河では「絆の強い平氏」なる虚像を描くために、変な方向に歪められてしまったようです*2

ちなみに、現在は情けない義弟としか描かれていない平時忠ですが、彼は元々平の姓でも清盛などの武士の系統とは違う公家の系統ですので、一門の絆の中に含まれるのか微妙なところがありますが、彼も必ずしも清盛とは向いている方向が一致しません。今後、どう描かれていくのか気になります。

どうも、今回の大河ドラマは清盛や平氏をよく見せようとするあまり、史実とかけ離れ始めているようです。そもそも、清盛が白河院の血縁で後白河院と兄弟なんていうのは風聞に過ぎません。当時からそういう話があったようですが。でも、あそこまであからさまに語られるのはさすがにちょっと無理があるのではないかと思います。まあ、一門は生死を共にするということで、最後の平氏滅亡に持っていきたいのでしょうけど、世の中そんな単純じゃありません。

*1:大河ドラマの人物紹介に寄れば、今後和解していくようですが。

*2:そもそも、よく分からないんですよね。単純にどっちがかっても生き残るように崇徳院側に付いた、というくらいでよいはずなのに、頼盛をわざわざ翻意させて清盛側に戻す辺り、忠正は崇徳院側の負けを悟っているような感じです。なんでそう思ったのかは語られないし、そもそも負けると考えているというのも推測ですが。頼盛を納得させるため、ということなんでしょうが、逆にそんなことで納得するくらいの覚悟だったのかよ、頼盛。