都知事による風評被害

文学者(ここは笑うところ)である都知事様は、単位を揃えるという基本的なことも理解できないで喋っている模様。当初、都知事先生は自販機とパチンコ屋で1000万KW/hだとか800万KW/hだから、福島第一原発2個分とか言ってたわけです。今は誤りに気付いたのか、自販機でピークが26万KW/h、パチンコ屋が84万KW/hと主張を変えたようです。

そうです。合わせて1000万だの800万だの言ってたのは、1日辺りの消費電力の合計(自販機400万KW/h、パチンコ屋415万KW/hだそう。しかも、前者は古い数字で、現在は消費電力も1〜2割減っているらしい。)で、原発の出力と言っているのは1時間当たりの定格出力です。

で、今はピーク時は地下鉄の36万KW/hに比して、自販機は26万KW/hもある、と言ってるわけです。が、これも実はおかしくて、自販機は今、真夏の暑い時間帯ではなく、朝の時間帯に冷やしておいて、後はそのままなという対策を震災前からしているそうです。比較するのであれば、夏場の東電の電力需要がピークになる時間帯の消費電力でなければ、今問題のピーク供給能力が足りない問題の解決にはなりません。その点では、地下鉄のピーク電力とやらも、多分、朝ラッシュ時か夕ラッシュ時の物だと思います。

まあ、仮にピーク電力量で考えるとして、26万KW/hですよ。東電のこの夏のピーク需要電力量は5500万KW/hと言ってますから、その0.47%にしかなりません。足りない電力量850万KW/hに対しては3%となります。実際にはピークが違うのでもっと少ないでしょう。少なくとも、自販機とパチンコ屋を止めればどうにかなるというものではありません。それなのに、特定の業界だけを槍玉に挙げるのは、為政者としていかがなものでしょう。単に自分の好みで物を言っているとしか、傍からは見えません(小説やビデオ作品はよくてマンガ、ゲームはダメとか言うのと同じですね)。

まあ、その辺はさておき、都知事様は謙遜して一都一県がやっただけでは効果が見込めないから、国としてやるべきだと仰っておられますし、それはそうかとは思いますが、まずはその崇高な理想の実現を促すためにも、率先して活動されるべきではないでしょうか。都庁舎内の各フロアにもおそらく冷蔵庫も飲料の自販機もあるのでは無いでしょうか。よって、コンビニで買ってきてそこで冷やせばよいのですから、自販機は止めた方がよいですね。大文学者であらせられる都知事閣下なのですから、まずは範を垂れていただかれると、下々の者も従うのではないでしょうか。うちの会社でも、上に2階分、下に3階分の移動はエレベータ使用禁止(震災前から。ただし、守ってない人が多い)ですから、もし都でそういう施策を実施していないのであれば、おすすめします。ああ、うちは蛍光灯を半分外してますし、日中の昼間は窓際の照明は消しています。都庁舎でもやっていなければ是非どうぞ。

まあ、都としては、上記の様な物は当たり前で、他にもできうる限りの対策を全て行った上で、特定業界を槍玉に挙げておられるのかと思いますので、余計な話でしたね。

蛇足。店で買って家で冷やして飲めばいいと言うけど、自販機で買う飲料って、基本は外で飲むために買うと思うのだけど。家で冷やして持って来いということ? まあ、そんなのとっくにやってるけど。それとも、外で飲むなということ?
あと、家で冷やしてというなら、スーパーやコンビニの飲料の冷蔵庫も止めたほうがいいよね。冷蔵庫は開け閉めすると電力を消費するというから、家で冷やせばよいのだから、店で冷やす必要ないよね。別に腐るわけではないし。どうせだったら、暑いときには熱いものを飲むのがよいのだ、冷やした飲み物なんて飲んでいる場合ではない、くらいのことは言えばよかったのでは。