JALを巡ってデルタとアメリカンが綱引き?
JALがデルタ航空と提携強化(資本参加含む)を進めていることに対して、同じワンワールドのアメリカン航空も名乗り出たとのことです。これは、最初からデルタとの提携は無しはアメリカンを釣るための餌だった可能性が高いように思います。最初からアメリカンに話を持っていくと、
- 断られた場合次の交渉に悪い影響が出る
- うまくいったとしても足元を見られる可能性がある
というデメリットがあるのに対し、デルタに最初に話を持っていくことで、
- 第3位の航空アライアンスであるワンワールドからJALが抜けると、純粋にアライアンスの力が低下するだけでなく、アジアでの地歩を失う
- 足元を見られる立場のはずが、上記の点から有利に話を進められる
- 社内的には最初に劇薬のデルタとの提携を持ち出した後なので、それよりは刺激が少ないアメリカンとの提携は相対的にスムーズに進む
- デルタに対して断る際には、アライアンスが違う点や、ノースウェストから太平洋路線を引き継いだデルタとの路線競合が多い点を理由にできる。
というメリットがあります。
ただ、デルタと提携することで競合路線の共同運航化、自社路線廃止によって余剰となる老朽機材の退役ができるのに対し、アメリカンとの連携ではそれができない、ないし、効果が少なくなるので、単なる一時しのぎにしかならないという可能性があります。どっちにしろ、高コスト問題を外資の手を借りてどうにかしたいというのが一番の理由かもしれません。