駅のホーム柵、義務化検討
先週末の日経に載っていたのですが、1日の利用者が5000人以上の駅にホーム柵を義務づけにすることを国交省が検討しているようです。なんでも、接触・転落事故や飛び込み自殺が増えているのが理由だそうです。以前に田舎の鉄道会社にまで新しい列車保安装置を入れさせようとして、そんな金がないからと廃業した会社があったかと思うのですが、またそういう愚策をやろうとしているようです。全国の約9500駅のうち約420駅にしか付いていないのはそれだけの理由があるはずなのに、義務化とか何を考えているのやら*1。
例えば横須賀線各駅の2007年の乗車人員数は以下の様になっています*2。これは乗車のみで、降車した人は含みません。単純に1日の利用者数と言えば、おそらくこの倍くらいになるはずです。
久里浜 | 6,847 |
衣笠 | 9,185 |
横須賀 | 6,145 |
田浦 | 2,673 |
東逗子 | 5,314 |
逗子 | 28,201 |
鎌倉 | 39,719 |
北鎌倉 | 8,496 |
大船 | 91,876 |
つまり、横須賀線は田浦駅が微妙なものの、全駅にホーム柵が必要になります。が、利用者としてホーム柵なんか必要とは到底思えません。接触・転落事故が全体傾向で増えているらしいですが、少なくとも横須賀線大船以南でのそんな事故はあまり聞いたことがないです。
横須賀線固有の問題としては、混在する湘南新宿ラインとグリーン車の位置が違うことがあげられます。東海道線は3扉車と4扉車がまだ混在しています。京急などの私鉄も複数の扉の数を持つ車両が混在していますし、列車種別によって停車位置を変えているところもあるでしょう。
ホームの狭い駅など、ホーム柵なんか付けたらもっと危なくなります。ホーム柵のところで降りる人と乗ろうとする人が押し合いへし合いするのが目に浮かびます。朝ラッシュ時など柵と電車の間に取り残される人が多数出るでしょう。それを防ぐには列車間隔を開けるしかありません。
少なくとも、5000人の根拠をあげてもらわなければ納得できる話ではありません。50000人ならまだ検討の余地はありますけど。横須賀線末端部なんて、ついこの前までエレベータもろくになかったし、喫煙所撤去対象外かつまったく壁のない喫煙所*3なんてローカル駅ですよ。駅員なんて駅舎から出てこないで、ホームだけ見たら無人駅ですよ。そこにホーム柵とか馬鹿げてます。