成田空港でFedEx機が着陸失敗、炎上

2009年3月23日の午前6時49分頃に、広州白雲国際空港発のフェデックス80便のマクドネル・ダグラスMD-11F貨物機が強風の中で第A滑走路に着陸しようとしたが、強風にあおられてバランスを崩し、左の翼から滑走路に接触し裏返しになり炎上した。

Wikipedia/フェデックス80便着陸失敗事故より

なお、成田空港内での全損事故はこれが初めてだそうです*1。事故機はフェデックスのMD-11F(機体番号N526FE)です。乗員2名が乗っていたようですが、死亡が確認されたそうです。亡くなった方々のご冥福をお祈りします。国内での航空機事故での死亡者は1996年の福岡空港でガルーダインドネシア航空事故以来だそうです。

この事故によって成田空港はA滑走路閉鎖となりました。B滑走路では大型機の離着陸ができないため、空港自体が半分閉鎖された様なものとなっています。とりあえず、B747A380以外は降りることはできるようです*2。ただし、降りたとしても、B777系は離陸は難しいようです*3B767やA300、A320等は離陸できるようです。

なお、一部報道で「同機は可燃性液体を4万トン積載していた」との情報がありましたが、これは単位か何かを根本的に間違っているかと思います。さすがにこれはおかしいのでMD-11Fの最大離陸重量を調べたところ、285トンでしたから、おそらく、ポンドの間違い(あるいは、そもそも可燃性の液体を積んでいなかった)ではないかと思います。


事故機と同型機


なお、アメリカでも小型機が着陸に失敗し、17人の犠牲者が出ているようです。犠牲者の冥福をお祈りします。

事故映像

詳細な事故原因は今後の調査で明らかになってくるのでしょうが、報道されている映像を見ると、こんな感じの様に見えます。

  • まずメインギアが接地。タイやが接地したときの煙が見える。接地の時点では機首は上を向いている。
  • 接地後、機首がかくっとつんのめった感じになる。遠景なのでよく分からないが、メインギアが若干持ち上がってるように感じる。ノーズギアが折れたのでなければ機首が下がるわけはないので、接地直後に1回目のバウンドで尾部側が持ち上がり、頭からつっこむ体制になった様に見える。動く歩道の上で走った時に、地面に踏み出した時につんのめってしまうが、そんな感じか。
  • 1回目のバウンドの接地後、今度は明らかに機首が上を向いて機体全体も持ち上がる。
  • 数秒間機首を上げて上昇するが、だんだん機首が下がってきて、放物線を描いて落下を始める。
  • 機首から滑走路に突っ込み、2回目のバウンドに入る。この時点で既に左に傾いでいる。
  • 主翼を支点として尾部左側面下方を地面に擦りつけながら右主翼端が大きく持ち上がり、45度くらい傾いたところで出火。
  • 尾部をこすったところで一度小さく炎が上がった後、主翼より後方全体が大きく炎上しながら天地が逆転*4

A滑走路再開目処立たず

今回の事故で滑走路に多数ある灯火の一部が破損しており、また、全焼した機体を撤去してからでないと滑走路の運用再開ができないため、現時点ではいつ再開できるかが分からない模様。そうなると、乗り入れている各航空会社も運行の見通しが立てられない状況。

*1:確かに、そういう記憶はないですね。

*2:B777-300ERは降りられるのか?

*3:燃料を制限して、途中の空港で給油に降りれば別でしょうけど。

*4:主翼を擦った際に漏れた燃料が、左尾部で上がった火花で引火して爆発した様に見えなくもない。