イージス艦と漁船の衝突事故

横須賀市民としては潜水艦なだしお事故を思い出してしまいます。あれからもう20年なんですね。当日は横須賀の花火大会の日で、海に近いところで花火見物ができる機会を得たのでそこに移動している時に、横須賀市防災無線でなだしお事故のことを知りました*1

まだ、詳細はよく分かっていませんが、今回も「あたご」側に衝突回避義務があった*2との報道がされています。しかし、一部に動きが緩慢な大型船の方ではなく、俊敏に動ける小型船の方が回避する方が現実的ではないかという意見もあるようです。おそらく、赤い灯りを見たら回避、というルールの方がとっさに判断はしやすいはずですし、だからこそそうなっているのかと思います。とは言え、旋回半径が10mの船と、1mの船がいたら、どっちが回避した方がよいかと言えば後者かと思います。問題は、それをとっさに判断できないことでしょうか。自分が見た上述の意見の人は現在のルールを「現場で通用しない空論」と切り捨てていますが、では、その人の言う「小型の船舶の邦画界悲壮さを行う」というルールは現実的かというと、とるべきアクションは現実的ですが、その判断が曖昧かつとっさには難しいかと思います。もちろん、今回の漁船とイージス艦との様な明らかに分かる場合はわかりやすいですが、例えば、海自のイージス艦「こんごう」と米海軍のイージス艦「アーレイバーク」が遭遇した場合、はたしてどっちが大型で小型なのでしょう?

あとはまあ、回避義務がある船の舵が故障していたらどうするのでしょう? きっと、なにか取り決めがあるのではないかと思いますが、まあ、ルールというのはあちらを立てればこちらが立たずと言うことがままあって、色々と厄介なものかとは思います。

*1:谷戸と呼ばれる入り組んだ地形の横須賀では、各地のスピーカーから一斉に放送すると、影響し合ってすごく聞きづらかったのです。この事故の後、この時の教訓を基に、スピーカー群を2つのグループに分けて近接するスピーカーからの音声が影響しないように2回に分けて放送するようになったように記憶しています。

*2:すごく大雑把に言えば、左舷に付いている赤い灯火を見た方が回避義務がある、らしいです。