プログラミング軽視が使えないシステムを生む(ITPro)

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20071127/288167/

 「今のITベンダーはプログラミングを軽視しすぎている。全員がプログラマでありSEでなければ企業が喜ぶシステムは作れない」

ITベンダの経営層や部長レベル(以下、「彼ら」と呼称)よりも、ユーザー企業の方が開発を知っているという皮肉。

なぜ軽視するかと言えば、「彼ら」から見ると、コーディングは儲からないから。この業界ではコーディングだけする人の単価は安いことになっている。人件費の高い内部の人間をコーディングに使うことは、「彼ら」にとっては、買い手が100円で買ってくれるものを70円で売る様なものなので、売り上げ目標を重視するとそんな効率が悪いことはできないということになる。

もっとも、ユーザ企業にまったく責任がないかと言えば、そうでもない。なぜそういう事になるかと言えば、ベンダは常にユーザー企業からコストダウンを強いられているから。手っ取り早くコストダウンするには、コーディングを内部の単価の高い人間ではなく、外部の安い人間を使えばいい。ユーザー企業だって、工場で働く人を派遣社員にしたり、管理部門の人員をアウトソーシングしたりしている。それと同じことをやっているに過ぎない*1。そんなわけで、ベンダのトップレベルの人から見れば、上記の発言は「ナニ言ってるんだ! お前達のせいだろ」と思うところがあるかもしれない。

*1:まあ、ルーチンワーク的なものとプログラミングを同列に比較してよいのかという議論もあるのかもしれないが、「彼ら」からするとコーディングはルーチンワークかそれに準じるもの扱いなのだろう。